波と手紙

小田桐夕のブログ。好きな短歌について。

一首評「風」

彼岸花あかく此岸に咲きゆくを風とは日々のほそき橋梁 内山晶太 「反芻」 『窓、その他』 ちょうどお彼岸の季節ですね。彼岸花の強い赤さは、私はけっこう好き。 この歌も彼岸のころの景ですが、彼岸は時期であると同時に、場所をも指しているのではないか、…

一首評「領地」

体育館の窓に雪呼ぶ雲ながれ視界は多く心の領地 P108 小島なお 「心の領地」『展開図』 体育館の窓越しに、空に重そうな雲が見えてきたシーン。雪が降る予感を感じつつ、まだその瞬間は来ない。 上の句から下の句への展開がとても難しい一首でした。 眼で見…

小島なお 『展開図』

今回取り上げるのは、小島なおさんの第三歌集『展開図』。 感覚の冴えた歌、注目すべき歌が多いです。

一首評「鏡」

三面に淡い雨降る三面鏡傘さすひとを映すことなし 小島なお「雨脚」『展開図』P57 三面鏡はたしか、実家のドレッサーで見たことがあったな・・・・。お化粧をする際に、三方向から確認できるので、色ムラがないか、仕上がりがきれいか、しっかり確認できます…

塔5月号を読みつつ考えたこと。

最近考えたこと。

尾崎左永子『鎌倉もだぁん』から

ここしばらく、尾崎左永子さんの『鎌倉もだぁん』を読んでいました。 以前、三月書房で買った一冊です。(三月書房ももう一度くらい、行きたかったなぁ・・) 『鎌倉もだぁん』は、鎌倉での暮らしのなかで詠まれた作品群です。 春夏秋冬の鎌倉の風景や色や匂…

一首評「森」

やはらかな森の吐息に濡れながらほたるは一生ひかりつづける 杉本なお「ふくろふの森」

3/28 Zoom歌会に参加してみました。

落ち着かない日々が続きますね。新型コロナウイルスの影響で、各種イベントが中止や延期になり、気落ちしている方も多いでしょう。 歌会も軒並み中止となっており、「参加したいのに残念」という声も多いはずです。 3月28日にZoomを使って、オンラインの歌会…

一首評「正解」

るるるると巻き取るパスタ 正解を知っていながらいつも間違う 松村正直 『紫のひと』「正解」P90

一首評 「自転車」

遠くから来る自転車をさがしてた 春の陽、瞳、まぶしい、どなた 東 直子「ハルノシモン」『青卵』 P183

一首評「ナイフ」

手紙たくさん書くさびしさを愛と呼ぶつがいのナイフ水に沈めて 東 直子「つがいのナイフ」『青卵』P20

一首評「漣」

漣はむかし清音なりしとかささなみささなみ夕陽を洗ふ 伊沢玲 『雲のすごろく』「ケトル」P73

一首評「感情」

感情の錆びゆく速度ねこじゃらしの頭に触れて留めておこう 小島なお「十円」 COCOON14号

一首評 「頬」

人の生に降る雨粒のかくまでに閑けく人の頬に走れる *生=よ 閑けく=しづけく 岡井隆 『宮殿』 P 157

一首評 「発見」

自暴自棄になりてようやくかがやけるこころなど春の発見として 内山晶太 『窓、その他』

一首評「赦す」

一首評

松村正直 『紫のひと』

歌集『紫のひと』レビュー。

一首評「温室」

一首評

一首票「苺」

杉崎 恒夫 『食卓の音楽』から。

一首評 「係」

一首評

松村正直 『戦争の歌』

松村正直氏による『戦争の歌』のレビュー。

これからの「波と手紙」について

いつも「波と手紙」を読んでくださってありがとうございます。初めて読んでいる方もありがとうございます。 さて、当ブログでは、毎月の「塔」に掲載されている短歌からいいと思った作品を選び、コメントをつける記事を掲載してきました。 が、時間が無くな…

小島ゆかり 『六六魚』

小島ゆかりさんの歌集『六六魚』の評です。

塔2019年3月号 5

塔2019年3月号の評 その5。

塔2019年3月号 4

やっと塔3月号の評が終わりそうです。すでに手元には塔4月号が届いています。

塔2019年3月号 3

今日は雨でした。雨滴に濡れている花もきれいだった。少しくらいの雨なら嫌いじゃないです。

塔2019年3月号 2

塔3月号の作品1からいくつか。時間があれば、続きもアップします。

塔2019年3月号 1

4月になってしまいました。桜がきれいです。今日はたくさん歩いて、桜を見てきました。

一首評 「春」

以前も読んだことがある歌集からすこし引いてみます。今回は真中朋久氏の『雨裂』から。以前読んだときより、じんわりした良さが分かる気がしました。

塔2019年1月号 5

やっと塔1月号の評が終わりますー。 長かったよー。