波と手紙

小田桐夕のブログ。好きな短歌について。

2020-12-01から1ヶ月間の記事一覧

2020年を振り返ってみる

今年最後の投稿になります。2020年は誰にとっても、驚きやショックの連続みたいな1年になってしまいましたね。 私もなんとか無事に年末を迎えることができて、ホッとしています。 年のはじめに転居して、新しい生活が始まったことがプライベートでは大きかっ…

江戸雪『空白』

江戸さんの第七歌集。 一冊全体を通じて、抑えきれない怒りや感情があふれている歌集です。

松村正直『風のおとうと』評「現実との距離、そしてまなざし」(2017)

*松村正直歌集『風のおとうと』評として、かつて「塔」誌上で発表した文章です。今さらですが・・・ブログにも公開しておきます。(3年経っている・・・3年!?) *掲載にあたって一部、表現を変えた箇所があります。

松村正直 『午前3時を過ぎて』

今回取り上げるのは松村正直氏の『午前3時を過ぎて』です。 以前とりあげた『やさしい鮫』から約8年、端正な文体がさらに深化したという印象です。 (諸事情あって、前の記事を再投稿しています・・・)

一首評「戦士」

ぼろぼろに朽ちたり燃えあがつたりする薔薇がいとしき戦士であつた 木下こう「あはくてあかるい」『体温と雨』P127 『体温と雨』に収録されている歌は全体的に、まさに淡い感じの歌が多いです。 そのなかでポイントになっているのは、名詞の使いかたではない…

一首評「街」

だらしなく降る雪たちにマフラーを犯されながら街が好きです 阿波野巧也「ワールドイズファイン」『ビギナーズラック』P9 街に関する歌が多い歌集でした。 全体的な語り口はとてもライトですが、ときどき、いい意味で引っかかる表現が入っています。 取り上…