波と手紙

小田桐 夕のブログ。塔短歌会に所属。

歌集

真中朋久 「雨裂」

最近、真中さんの歌集をずっと読んでいました。今回は第一歌集「雨裂」を取り上げてみます。 真中さんは気象予報士として働いていたそうで、短歌のなかに気象用語や天候にまつわる発想がでてくるのが面白く、また印象深いものが多かったです。実際の仕事の経…

ひぐらしひなつ 「きりんのうた。」

今回はひぐらしひなつさんの「きりんのうた。」を取り上げます。2003年に出版された歌集ですが、私が手に入れたのは数年前です。当時、繰り返し読んでいた1冊です。 いいかけで終わる歌 骨と骨つないでたどるゆるやかにともにこわれてゆく約束をコントラバス…

江戸雪 「江戸雪集」

今回は江戸雪さんの初期の作品をおさめた「江戸雪集」をとりあげます。 いつのまに信じられなくなったのかフロントガラスにとけるだけ 雪スカーフに風からませてどこへでも行けると思う今ならば でもひきだしの死角のようにいるひとを思い出せなくなるまで、…

松村正直 「午前3時を過ぎて」

今回取り上げるのは松村正直氏の「午前3時を過ぎて」です。 以前とりあげた「やさしい鮫」から約8年、端正な文体がさらに深化したという印象です。 日常の歌 橋の上にすれ違うときなにゆえに美しきかな人のかたちは すれちがう人の多さが春である疎水のみず…

松村正直 「やさしい鮫」

今回は松村正直氏の第二歌集「やさしい鮫」を取り上げてみます。わりと前の歌集ですが。全体を通じて大変に平明な言葉で詠まれいていながら、詩としての成立させるための要は静かに存在しているので丹念に追っていくと感情の変化を読み取れます。松村さんの…

林和清 「林和清集」

全体を通して読んでまず思うのが、内にもっている時間の軸の長さが通常のひととは違う、ということです。 京都という歴史のつみ重なった土地での暮らしと豊富な教養が、林和清氏の短歌の世界の土台になっています。自分が生きている現世という時間だけでなく…

横山未来子 「横山未来子集」

邑書林から出ているセレクション歌人というシリーズ、かなり前から愛読しています。今回はそのなかから「横山未来子集」を取り上げてみます。 とりどりの紅葉捉へて凍りたる湖のごとくに生き来しひとか霜月におもふ真夏の陽のごとくはるかなり眼をほそむる癖…

プライバシーポリシー