波と手紙

小田桐夕のブログ。好きな短歌について。

一首評 「鵯」

花の裏、花のおもてと縫うように鵯は桜の木を出入りする   *鵯=ひよ
         吉川 宏志 「塔 2016年5月号」 

 

鵯が花の間をせわしなく動いているようすを
「花の裏、花のおもてと縫うように」と
描写しているのが目に留まりました。
縫う、という動詞のおかげで
一連の動きという感じが強まっています。
花の蜜や果実が大好きな
鵯の動きがあざやかに浮かぶ一首です。


そういえば先日の歌会には吉川宏志さんが来られていました。
短歌の世界って、自分が影響を受けた有名な歌人
一緒の室内で歌会とか普通に行うので
なんかいまだに慣れません・・・。