波と手紙

小田桐 夕のブログ。塔短歌会に所属。  ゆふぐれはあなたのなかに沈みゆくとほき国だと気づいてしまふ

塔2018年4月号 6

さて、塔4月号には「歌集の作り方」という特集が掲載されています。

これから歌集をまとめたい、と思っている人には

とてもいい企画ですよね。

座談会の内容は盛りだくさんで収録する歌の選択や

タイトルなどの具体的な部分と、

出版にあたっての気持ちなどメンタル面についての部分があり、

興味深い話が多かったです。

まずは興味深い企画をたてた方や、

座談会に出席なさった方たちにお礼を申し上げます。

 

◆歌集を出す意味とタイミング 

 

歌集を出す理由には、「今までの歌作や人生の決算」というケースもあれば、

「子供とか家族に残しておきたい」みたいな理由もあり、

歌集を出すタイミングによって違ってくるのかもしれないですね。

いままでぼんやり作ってきたたくさんの歌を

歌集という形に置き換えることで、見えてくるものがある、

という点が面白い点です。

歌集は自分で決めて出すものなので、

なんとなく自分史っぽい性質が強いみたいです。

歌集を出そう、って思うきっかけは人それぞれみたいで、

私はどちらかというと、「よし、出そう!」って思えるまで

焦らなくてもいいかな、と思うタイプです。

勢いにのってパッと出してよかった、という人もいるでしょうけど、

なんとなくの気分で出したら後悔しそうな気もします。

今回の特集を読んで、歌集を出すなら、

自分にとって納得がいく形やタイミングで出したい、と

今まで以上に思いました。

一番避けたいのが、「周りの友達が出しているから、焦って出してしまう」

みたいなケース。あとですごく後悔しそうです。

ただ、ベストのタイミングが来ることをただ受身の姿勢で待っているよりは

「このタイミングで出したい!」って決めて作っていくっていう姿勢のほうが

得るものが多いかもしれません。

たとえば2年後なら2年後って決めて(実際に出版するかどうかはさておき)

歌集に入れたい作品を選んだり、章を考えたりするくらいの

前のめりな姿勢があるほうがいいのかもしれない、とも思います。

実際に組み立てることでより力がつく面もあるかもしれないので、

ちょっと考えてもいいのかもしれない。

 

歌集の構造

 

実際の歌集の編み方で特に気になったのが、収録する歌について、

「塔では採用されなかった歌でも歌集には入れてもいい」っていう部分です。

あ、本当に気に入っていたら歌集には入れてもいいんだな、

いままでのボツになった歌も残しておいてよかった、って思いました。

歌集のなかで同じテイストの歌ばかり並べると

すごく単調に感じるので、

できるだけ詠める作品の雰囲気はひろげておきたい。

最近、短歌を詠んでいて何となくマンネリ化を感じているので、

ちょっと困っているんです。これはまだまだ

インプットが足りていないんじゃないかな、と焦ってもいます。

優れた作品はたくさんあるので、もっといろんな作品に触れておきたい。

そして自分の歌風のブレとか幅を楽しめるようになりたいな。

いざ歌集を編むとなったら、どの歌を入れて、

どの歌を捨てるのかすごく迷いそうです。

あとはふかく考えたことがないけど、短歌と章題とのバランスなど、

歌集ってやっぱり全体を組み立てるんだなって思って、

特集を読んでいて面白かったです。

今後、歌集を読んでいくときには構成とか目次にも注目してみたいと思います。

私の室内の本棚には、

「特に大好きな本をあつめた、手に取りやすいスペース」っていうのがあって、

その段にはすごく尊敬している方の歌集とか小説がずらっと並んでいます。

ときどき手にとって、自分が好きだなと思った世界を眺めています。

書籍を買った時よりもいまのほうが分かるときもあるし、

久しぶりに読んだら感覚が変わっていることもあります。

今回の特集を読んだあとでは、歌集の一冊、一冊に

そのときの作者の気持ちが入っていると感じて、

歌集って通常の書籍よりなんだか意味が重い感じもしてきました。

 

 歌集のスタイル

 

私にとっては歌集って出せるとしても、ずっと先だろうな、と思います。

歌集の話を聞いているときにいつも考えてしまうのはお金のこと。

自費出版であるがゆえに、実力があってもお金がないと

なかなか出せない、という話も聞きますよね。

逆に言えば、実力とは無関係にお金があれば

1冊~数冊は出せるんじゃないの、とかつい思ってしまいます。

そのあたりがいつも、もやもやする。

お金を理由に悔しい思いをしている人も

少なくないんだろうな、と思います。

 

歌集出版が一定の条件を満たした人たちの

内輪の楽しみになっている面は否定できない、と思っています。

書籍で出すことが当然、という流れが強いので、

あんまり評価はされないかもしれないけど、

私家版やオンライン歌集でもいいんじゃないかな、という気持ちもあります。

ただ、私家版やオンライン歌集で出すにしても、適当に作るんじゃなくて、

しっかり内容を考えて出したい、とは思います。

どんな形で出すにしても、「私の作品です」って肯定したい。

 

私が塔に入って3年以上がたちました。

今後どんな風になりたいのか、

考えるヒントをもらえる企画だった、と思います。