教室はいやおうもなく春となり壁に押したる画鋲のひかり
大辻 隆弘(辻はしんにょう一つ)「蘇枋」『景徳鎮』
教室にとって春は特別な季節。
新入生が入ってきて、また新しい年度が始まる区切りです。
教師を長年やってきた作者にとっても
新しい1年のスタートの時期になります。
「いやおうもなく」というところに
容赦なしに流れていく時間の力を感じます。
教室の壁には掲示のために、お知らせとかポスターが貼ってあるのでしょう。
紙を止めるために隅にささっている画鋲という
小さなアイテムに反射する春のひかり。
小さいながら金色に光る存在感の強さ。
生徒にとっても教師にとっても
新鮮さや不安のある空間の様子を
「画鋲のひかり」でイメージさせている点に惹かれます。
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先日、『景徳鎮』について「月と600円」で読書会を行い、
1冊の本についてあれこれ考える機会をいただきました。
いろいろ調べるのが面白くて、いい機会だったと思います。