2017-11-15 一首評 「コード」 一首評 イヤフォーンのコードを指に解くときひとは敬虔の表情をせり 大辻 隆弘 「ナックル」 『景徳鎮』 イヤフォーンのコードのからまりは どこか植物の蔓を思わせるときがあります。 細いコードがからまっている状態を指にとり、 するっとほどく時、どこか祈りに通じるような つつしみ深い表情になることを観察しています。 単に物体としてのコードだけでなく、 わだかまりとむきあう精神性を感じる仕草です。 ちいさな仕草の中の別の一面をすくっている その視線の鋭さを思います。