2016-03-11 一首評 「水鳥」 一首評 失ひてのちに来る雪 幾千の水鳥の発つうみをおもひき 中山 明『ラスト・トレイン』 喪失のあとに降ってくる雪と水面から飛び立っていくたくさんの水鳥のイメージが鮮やかに交差します。 空からの雪が、白さを保ったまま水鳥に変わって飛びたっていくような映像がうかんで循環していくようなイメージがあります。 中山明氏の短歌はネットで公開されているのでたまにのぞいてみることがあります。美しい世界のままで止まっていて私は振り返るようにその作品を眺めるのです。