2016-03-04 一首評 「飲料」 一首評 管理下に生くるかなしみなだめつつ水より淡き飲料をのむ *淡き=あはき 江畑 實 『江畑實集』 会社や組織に所属して働くようになると働いている間、時間も行動も管理されるようになる。そのうち思考も組織の枠内に固まっていくのだろうということも容易に想像できる。 自らをなだめつつ口にするのは「水より淡き飲料」である。「水より淡き」がポイントだろう。飲み物までシステムの中で薄められている感じがなおさらかなしい歌である。