2015-12-16 一首評 「桜草」 一首評 あざやかな記憶のしかし桜草死を看取ったらあとは泣かない 土岐 友浩 「Bootleg」 「あざやかな記憶」はおそらく亡くなった方との思い出なのだろうけど「しかし桜草」という逆接によって二句の途中でぐっと歌の流れが変わっています。 早春にいちはやく咲く桜草。ひとつの死にたいして強引に区切りをつけようとする気持ちの節目におかれる可憐な「桜草」という語に痛切な覚悟を感じます。