波と手紙

小田桐夕のブログ。好きな短歌について。

一首評 「ブロッコリー」

喉をゆくブロッコリーのこまかさは一塊の森さやぐ涼しさ

           大口 玲子 「海量」 

 

「もの喰ふ女」のなかに置かれていた一首です。

ブロッコリーは確かに森を連想させる野菜です。
喉を通っていく食べものと、連想してしまう森のさやぎとのリンクが面白い。
緑色を思いながら読むので、とても爽やかですね。
食べているときの感触、味覚、緑色という色彩と視覚、森の匂いや風の涼しさ、
いろんな要素が入っています。

飲食の短歌っていろいろ探すと面白いかもしれません。