2015-09-20 一首評 「海」 一首評 ペルシアンブルーに織りいだす絨緞 海知らざれば海より碧く 中山明 「猫、1・2・3・4」 中山明氏の名前を知った思い出深い一首です。「ペルシアンブルー」からはじまって上の句を一気に読ませて、一字あけて下の句、という緩急のつけ方が面白いなと思います。 「絨緞」の青は海を知っているものの目よりも海を知らないものの目に、より鮮烈に映るのではないかな、と思っています。知らないからこそ思い描く憧れのような感情を思わせます。