2015-06-22 一首評 「金魚」 一首評 音のなき夜を迎えていまここにこころにしずむ金魚のうごき 「蜂のひかり」内山晶太(短歌研究2013年7月号) 久しぶりに眺めていた雑誌の頁のなかに見つけた一首です。「いまここにこころにしずむ」のリズムにとても惹かれます。夜の闇と金魚のあかるい色の対比が鮮やかでイメージがふくらみます。静かな夜に水の中で泳いでいる金魚の動きや繊細なゆらめきはよりいっそうきわだつようです。水のなか、そしてこころのなかを泳いでいく金魚を思い描いてしばらくぼんやりしてしまいました。