波と手紙

小田桐夕のブログ。好きな短歌について。

2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

一首評「鳩」

手のなかに鳩をつつみてはなちやるたのしさ春夜投函にゆく *春夜=しゆんや 小池純代「青煙抄」『雅族』P12 春の夜に近くのポストまで行って、手紙かハガキを投函するつもりらしい。 「手のなかに鳩をつつみてはなちやる」がやはり楽しい表現です。 投函する…

一首評「釦」

くるみ釦のいとこのやうなこでまりの釦ひとつに百のはなびら 有川知津子「しゆわつ、ぼつ」『ボトルシップ』P59 春の花が美しい季節です。最近、散歩で花を見るのが楽しい。白い毬が連なったようなこでまりの花も、とても愛らしい花です。 くるみ釦は、芯を…