波と手紙

小田桐夕のブログ。好きな短歌について。

2020-10-31から1日間の記事一覧

一首評「こころ」

近づけば近づくほどに見えざらむこころといふは十月の雨 本田一弘 『あらがね』「虎」 普通は距離をつめて近づくほどによく見えるはずなのだけど、近づくほどかえって見えないようになるだろう、とは逆説的だし、皮肉。 単なる物体なら、近寄るほどにはっき…