波と手紙

小田桐夕のブログ。好きな短歌について。

2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

小島ゆかり『馬上』

『馬上』は小島ゆかりさんの第13歌集になります。 意外な展開や柔軟な発想が随所に見られて、 日常の歌をより豊かにしている印象がありました。

一首評 「ドア」

回転ドアのむかうに春の街あれどほんたうにそこに出るのかどうか 小島ゆかり「谷戸町」 『馬上』(現代短歌社) P54 回転ドアってなんだか不思議なアイテムで、 区切られた円筒形のなかを回っていくという あえてやや面倒な仕組みになっています。 単なる1枚…

一首評 「鳥」

切手帖のくらやみのなかのうつくしき鳥たちいつせいに発火するごとし 真中 朋久 「火光」 『火光』P100 「火光」のなかでとても印象的だった歌です。最近、読み直していて、やっぱり印象深い。 美しさと怖さが同じ作品のなかにあることがしばしば、あります…

塔2018年4月号 6

さて、塔4月号には「歌集の作り方」という特集が掲載されています。 これから歌集をまとめたい、と思っている人にはとてもいい企画ですよね。 座談会の内容は盛りだくさんで収録する歌の選択やタイトルなどの具体的な部分と、出版にあたっての気持ちなどメン…

塔2018年4月号 5

のんびりしたGWを過しています。 5月6日に東京で文学フリマがあるらしいけど 同人誌とかそのあたりの流行りがまったくわからぬ・・・。

塔2018年4月号 4

先日書いた記事のなかで次の一首を取り上げましたが・・・。 ためらいをかすか見せつつふり仰ぐあなたというひと 窓に見届く 中田 明子 P122 ためらっている様子を「見せつつ」なので、 自分ではなく他人の行動のような・・・・ ふり仰いだのは「あなた」の…