波と手紙

小田桐夕のブログ。好きな短歌について。

2016-07-10から1日間の記事一覧

一首評「糖」

傷をもつ林檎は傷を癒やすべくたたかひて内に糖を増すとぞ 柏崎 驍二 「アスペルギルス・オリゼ」『北窓集』 林檎のなかの糖をとらえた一首。 「癒やすべくたたかひて」とは、矛盾したようでいて面白い表現だ。癒やすべく休むとかではなくて、「たたかひて」…