波と手紙

小田桐夕のブログ。好きな短歌について。

2015-09-01から1ヶ月間の記事一覧

広島 その1(原爆ドーム)

かれこれ1ヵ月くらい過ぎてますが・・・・この夏に広島に行く機会がありました。そのときの写真を数回くらいにわけてちょっと投稿しておきます。 写真の整理や加工をちょっとずつやっています。慣れないソフトでおろおろしながら・・・。でもやっぱり写真を…

一首評 「嘘」

嘘を吐くときには旅するごとく吐く日暮れてのちを残る海光 光森 裕樹 「石垣島 2013」 光森さんは写真の上手な方で、「石垣島 2013」は石垣島のすごくきれいな写真と短歌がセットになったちょっと変わった歌集です。 嘘を「旅するごとく吐く」とは面白い比喩…

一首評 「海」

ペルシアンブルーに織りいだす絨緞 海知らざれば海より碧く 中山明 「猫、1・2・3・4」 中山明氏の名前を知った思い出深い一首です。「ペルシアンブルー」からはじまって上の句を一気に読ませて、一字あけて下の句、という緩急のつけ方が面白いなと思い…

「短歌を選ぶ」ということについて

昨今、短歌の同人誌もいろんなのがあって、正直、その動きを追えていません・・・。 私は短歌同人誌とかそんなにあれこれ買いあさることはないですね。すごく興味を持ったものだけ注目して買いますが。 実際に手に取ってみて、これならいいなと思わないとち…

京大短歌21号 その二

「京大短歌21号」には面白い評論が載っている。「口語にとって韻律とはなにか―『短詩型文学論』を再読する―」という阿波野さんによる評論です。短歌には調べが大事、と言われているいわば定番の内容に対して「本当にそうだろうか」と疑問を出し、『短詩型文…

京大短歌21号

今回は「京大短歌21号」を取り上げてみます。昨今いろんな大学短歌会がありますが、京大短歌会はそのなかでもかなりの伝統を誇る短歌会です。短歌作品はもちろん、評論、歌集の批評会の記録、そして今回は「吉川宏志特集」と題して京大短歌OBで塔短歌会の…

一首評 「硝子」

息吹きて硝子を膨らませることのたとえば断念のごとき愛しさ *愛しさ=かなしさ 三井修 「風紋の島」 前後の歌から、北海道小樽を訪れたときの作品であることがわかります。小樽は美しい硝子細工が有名ですね。吹きガラスと言われる、熱い硝子に息を吹き込…