2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧
アメンボの肢の下には滅ぼされ水に沈んだ僧院がある 吉川宏志 「吉川宏志集」 今日は梅雨の合間のいいお天気でした。昔は水たまりでよく見たんだけどなぁ、アメンボ。アメンボのあのほそーい肢のしたに、かつては立派だったろう「僧院」があるという歌。はじ…
ひとりならゆっくりわかる貰いたくもない手紙によく似ていた人 柳谷あゆみ 「ダマスカスへ行く」 もらってもうれしくない手紙はなんだか気持ち悪い。べつに覚えていたくないのに記憶のかたすみにひっかかってたまにちらつくことがある。そんな手紙に似ている…
音のなき夜を迎えていまここにこころにしずむ金魚のうごき 「蜂のひかり」内山晶太(短歌研究2013年7月号) 久しぶりに眺めていた雑誌の頁のなかに見つけた一首です。「いまここにこころにしずむ」のリズムにとても惹かれます。夜の闇と金魚のあかるい色の対…
先日、短歌史について書かれた同人誌「Tri」を購入しました。短歌史をあんまり知らないので、「Tri」も読んだけどよくわからない部分も多いのですよ・・・。(←勉強不足・・・)『現代短歌史』が60年代末で記述が終了していて約50年、半世紀分の記録が…
今回はひぐらしひなつさんの「きりんのうた。」を取り上げます。2003年に出版された歌集ですが、私が手に入れたのは数年前です。当時、繰り返し読んでいた1冊です。 いいかけで終わる歌 骨と骨つないでたどるゆるやかにともにこわれてゆく約束をコントラバス…
口移しでわけあう錠剤 明日こそ拙い文字の手紙がとどく ひぐらしひなつ 「きりんのうた。」 最近読みかえしていた歌集から1首。 「錠剤」は最初はカプセル状の薬なんだろうと読みました。サプリメントかもしれません。恋人か、そのくらい親しいひととの戯れ…
先日訪れた中崎町にはいろんな変わった店があって、ちょっとだけ写真に撮ってみました。 ・・・・なんかもう、不思議な世界・・・・・。 これは書肆アラビクさんの入り口付近。かなり昔、カフェの本かなにかで紹介されているのを見たような・・・。葉ね文庫…