思い通りに生きることなどできなくて誰もできなくて水を分け合う
松村正直「花火大会」 「星座」2017年初菊号 P8
結社誌「星座」を拝見する機会があり、その中から。
・・・「星座」ってさ、結社誌っていうよりも
どこかの短歌総合誌みたいな作りですね・・・・。
花火大会についての7首で構成された一連でした。
この歌が一番、印象的でした。
初句からさらさらと続いてそのあとに
四句目の「誰もできなくて」があるから
強い印象が残るのでしょう。
8音の字数でゆったりした感じが漂います。
「できなくて」のリフレインに
ずっしりした重さがあります。
思い通りに生きられないのは
自分だけでなく、水を分け合う相手も
同じであること。
「水」というもっとも身近な液体を
親しい人と分け合うことで
異なる人とのつながりみたいな感覚を感じます。