波と手紙

小田桐 夕のブログ。塔短歌会に所属しています。         ゆふぐれはあなたのなかに沈みゆくとほき国だと気づいてしまふ

一首評 「蕊」

つつじの赤い花はなつかし花よりも色濃く長き蕊もつことも
         花山 多佳子 「築地」『晴れ・風あり』 

つつじの花はたくさん咲いて、初夏の華やかな
景色を作ってくれた記憶があります。
たしかに蕊が長くて、すぅっと伸びていたなぁと思います。
「蕊」という部分に着目したことで
つつじという花の特徴をくっきりと描いています。

見慣れた光景を描写の力で
「あ、確かにそうだった」ともう一度よみがえらせる、
そんな力もいいなと思います。