塔2016年11月号の若葉集・山下洋選歌欄から。
遠いところは遠くにあったあの頃の茶の間のテレビに奥行きがあり 竹田伊波礼 P195
「茶の間のテレビ」はもうレトロなアイテムになりましたね。
今から考えると不格好なほどの奥行きがありました。
当時よりも情報はどんどん流れて
大量に接するようになった一方で
失った感覚もあるのでしょう。
たしかに「遠いところ」は多かった気がします。
もう見なくなった物への着目が面白い。
彼だけの夏がありたりブルペンに肩あたたむる背番号十 垣野 俊一郎 P201
「背番号十」という結句に重みのある一首です。
二句までの内容を受けて出てくる
少年の描写がいいな、と思います。
淡いスケッチみたいな描き方で
夏の一幕が切りとられています。
*
って、やっと選歌欄終わったよ・・・。
やはり欄が多いんだよ。
次月以降、できるのか?
早くも終了の予感。