2016-11-11 一首評 「麺麭」 一首評 描かれし教会の空に白雲は割きたる麺麭のごとくかがやく 山下 泉 「塔2016年10月号」 一枚の絵を眺めているときなんだろう、と思います。ぽっかり浮かんでいる白い雲が麺麭の断面のよう、という把握は素朴ですが「かがやく」という動詞でいきいきとした表現になっています。 この歌での「麺麭」はフランスパンのようなパサッとした感じに受け取りました。 パンを麺麭と漢字で書くことでその乾いた質感や食感をより伝える力があります。