波と手紙

小田桐夕のブログ。好きな短歌について。

一首評 「目盛」

もうそろそろ秋を測りにくるだらう腹に目盛のあるオニヤンマ
        小島 ゆかり 『純白光』

 

急に寒くなってきました。秋が一気に進んでいる感じです。
この歌が詠まれたのは9月上旬くらい。
秋になると飛んでいるトンボ、
たしかにオニヤンマには見事な縞がありますが
それを「目盛」ととらえて、
秋を測るためにあると考えると
なんだかとても実用的で、おかしい。

日常の何でもない瞬間を詩に引きあげる歌が
短歌日記にはおおくあって
読んでいて楽しい本です。