波と手紙

小田桐 夕のブログ。塔短歌会に所属しています。         ゆふぐれはあなたのなかに沈みゆくとほき国だと気づいてしまふ

一首評 「線」

便箋に銀の線ある秋の夜に人引き留める言葉書きおり    *線=すじ
    吉川 宏志 「鳥の見しもの」『鳥の見しもの』 

 

秋の夜長にかく手紙はだれかを引き留めるための言葉だという。
その言葉が届くのかどうかはわからないけど、
相手の反応によっては
もしかしたら最後の手紙ややり取りになるのかもしれないし
すこし緊迫感が漂う。

便箋に幾本もある銀色の線、
秋の夜と雰囲気がマッチしていてきれいな言葉の選択だと思う。
同時に作者と相手との間にある
心理的な隔たりのイメージとしてとらえてもいいと思う。

   *

9月はバタバタしていてあんまり更新できなかったなぁ。
そこそこの人数の方が見に来てくださっているようなので
また書評などあげていきます。。。