2016-07-21 一首評 「和音」 一首評 天気雨一刷毛降りてメシアンの和音のごとく濃き虹は顕つ 大井 学 「カントの週末」『サンクチュアリ』 漢字の多い初句、二句から三句のカタカナによる人名へのつなぎが面白いなと思って気になりました。虹の色の調和を「メシアンの和音のごとく」とは美しい比喩。天候による光景の変化を、聴覚で結んだところに感覚の広がりがあります。 まさに「一刷毛」というくらいの短い雨ののちの虹の光景は都会で生きているとより鮮烈に見えるのかもしれません。