2016-05-02 一首評「目」 一首評 鶺鴒よ あなたを涙を纏うべくうつくしい目にまた還ろうか 小林 朗人 「帰蝶」『京大短歌22号』 難解だけれど美しい一連だな、と思いながら読んでいました。全体的に別れ、喪失がモチーフになっているようです。 初句で「鶺鴒」という小さな鳥に呼びかけてから「目にまた還ろうか」で締めくくっています。 「あなた」を映すため、「涙」を流すため「目」というものを見るための器官に戻っていく、とは果てしない循環を思わせます。