2011年短歌日記の4月5日の日付に記されている歌です。
辛夷が咲くのは3月半ばから4月半ばなので、
ちょうどいまくらいの時期ですね。
たくさんの小さな手が天にむかって
だんだん開いていくようなフォルムがとても印象的な花です。
二句切れのあとの一字空けがとても効果的な一首です。
この一字空けで、あるべき言葉が大胆に省略されているので
想像力を刺激されます。
自分がいる場所の両隣がすべて辛夷、というのは
壮観だろうなと思いつつ、
その花に対する思いの正体を考えて、
読者である私もその景色のなかに立ち止まるのです。