2016-01-25 一首評 「パン」 一首評 今し世にかなしみあるを夕さりの店先にパンかがやきてをり 横山 未来子「午後の蝶」 冬の夕方に買い物に出た時の光景。ふっくらした長いフランスパンやつややかなブリオッシュがぱっと浮かびました。 毎日存在している店先の光景ですがときどき、やけにきらきらして見えるときがあります。気持ちが満ち足りているときよりも少しささくれているようなときになにげない景色の色や輝きが目につきます。短歌はその瞬間をとらえるのにも適しているのでしょう。