2015-11-26 一首評 「黒猫」 一首評 人よりもゆたかにあゆむ黒猫の雑貨屋の角まがるまでを見つ 横山 未来子 「午後の蝶」 横山さんの短歌のなかには、猫を詠んだ歌が少なくありません。「人よりもゆたかにあゆむ」で猫好きのひとの感覚がよく出ています。 短歌についている散文を見ていると、外で黒猫を見るとかつてかわいがっていた黒猫とだぶって見えてしまうらしく、その事実を知ると、短歌のなかに存在する【黒猫を見ている時間】を長く感じます。 「雑貨屋の角」という具体的な場所の提示が短歌のなかのリアルさを支えていると思います。