2015-10-16 一首評 「柘榴」 一首評 鮮明に柘榴の咲けり読み終へてまたはじまりへ戻る詩のごと 横山未来子 「金の雨」 柘榴というと、どうしても実を思い浮かべてしまうのですが、花もとてもきれいですね。 まあるく膨らんだつぼみからぱっと咲いた柘榴の花って鮮やかな色のおかげもあってとてもきれいです。 勢いのある二句切れで一度止まってから長い比喩が続きます。たっぷりとした長い比喩は、初期のころから横山さんの短歌の特徴のひとつですね。柘榴の花の美しさと、詩に触発されたイメージの反芻が一首のなかでオーバーラップします。