波と手紙

小田桐夕のブログ。好きな短歌について。

「短歌を選ぶ」ということについて

昨今、短歌の同人誌もいろんなのがあって、正直、その動きを追えていません・・・。

 

私は短歌同人誌とかそんなにあれこれ買いあさることはないですね。すごく興味を持ったものだけ注目して買いますが。


実際に手に取ってみて、これならいいなと思わないとちょっと買いにくい感じです。中身のレベルはまちまちなので。

 

同人誌に参加している人は本当に様々で、びっくりするほど上手い方もいれば、初心者かな~というレベルの方もいるので買うか買わないか、けっこう迷うのです。


買った場合はじっくり読んでブログで紹介するのか、紹介するならどの歌を引用しようか、これまた時間かけて選びます。


いいな、と思ったら取り上げるし、特に惹かれなければ取り上げないと決めています。(難易度が高すぎて私では取り上げられそうにない・・・っていうケースもありますが)

 

いいな、と思った作品をピックアップするのも私にとっての勉強だと思っています。惹かれた短歌や評論はじっくり読んでどこに惹かれたのか、あれこれ考えてみます。


上手く言葉に変換できるかどうかはわからないのですが、その試行錯誤が考えや表現を鍛えるためのトレーニングなんだろうと思っています。

 

以前、毎日新聞のなかのコラムで塔短歌会の編集長でもある松村正直氏が、若手歌人の同人誌を紹介した後でこう書かれていました。

 

実際の中身は玉石混淆だ。いいものもあればそうでないものもある。だからこそ批評する側も、「若手に元気があって良い」といった褒め方や、参加者全員の一首ずつを平等に引くといった態度を取るのではなく、誰のどの歌が良くて、誰の歌はそうでないのか、峻別していく必要がある。


毎日新聞『短歌月評』(2015年1月26日付) 松村正直 「玉石混淆の中から」
 

 

厳しい言葉だな、と思いつつある意味、そのほうが向き合い方として誠実なのかもしれないとも思います。

 

だれかの歌を選んでいくときに同時に選ばない歌も多くあるわけで、作品を「選ぶ」という行為が持つ意味とかその表と裏を自覚しておきたいと思います。