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波と手紙

小田桐 夕のブログ。塔短歌会に所属しています。         ゆふぐれはあなたのなかに沈みゆくとほき国だと気づいてしまふ

塔新人賞

今回は塔短歌会の「塔 7月号」の塔新人賞の中からちょっと引いてみましょう。 
今年で5回目ですか。まだ新しいですよね。

 触れるとききみに生まれる紫陽花もふくめて抱いていたかったのに

みずうみのような眼でぼくを見てゆっくりと閉じられるみずうみ

                                                           阿波野 巧也「冬の炭酸」

新人賞を受賞したのが、阿波野さんの「冬の炭酸」。
全体的に淡い印象のある一連で繊細な面がよく出ていると思いました。
この2首がやはり印象よかったなぁ。

2首目がとても好きなのですが、
自分のことを見ている恋人の眼を「みずうみ」に託している描きかたがとても美しい。

連作のなかでは就職のことや研究のこともちらちら出てきて、まだ不安定な感覚のなかで
なにかすがるような感じの混ざった相聞だな、と感じました。