波と手紙

小田桐 夕のブログ。塔短歌会に所属しています。         ゆふぐれはあなたのなかに沈みゆくとほき国だと気づいてしまふ

「恋する万葉植物」

今回は歌集ではなくて、万葉集にちなんだ本を取り上げます。

「恋する万葉植物」
文・伊東ひとみ   絵・千田春菜  (光村推古書院)
 


万葉集の中に出てくる数々の植物と、関連する歌を組み合わせて構成されています。
章立ては全部で5章あります。春夏秋冬、そして染色に用いられた植物という章立てになっています。

ページは見開きになっていて、右側には歌に詠まれた植物の特徴や、歌の意味や時代背景が紹介されています。
左側には淡い色彩で描かれた万葉植物のイラスト、短歌1首と現代語訳、
その植物の属性(○科という分類)や特徴がのっています。

すごく読みやすくわかりやすい構成になっていて、
「古典和歌を読んでみたいけど、よくわからない」っていう人にはぴったりです。
・・・私がまさにそうなんですが。

 

たとえば「やまぶき」の花の歌には高市皇子のこの歌が紹介されています。

山振(やまぶき)の立ち儀(よそ)ひたる山清水酌みに行かめど道の知らなく     (巻2-158)

そして高市皇子十市皇女をいたんで読んだという歌の背景が書かれています。

自分がおぼろげに知っている和歌にでてきた植物、
そして好きな花を詠んだ歌、どちらの視点からも
楽しめる1冊になっています。
気軽に和歌に触れられるので入門にはいいと思います。