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波と手紙

小田桐 夕のブログ。塔短歌会に所属しています。         ゆふぐれはあなたのなかに沈みゆくとほき国だと気づいてしまふ

謹賀新年

暦またきりかえてゆく 雪景色ひとつむかうにひろげるやうに あけましておめでとうございます。昨年はこのブログに来てくれた方もけっこう多かったし見た方から声をかけていただくこともあり、続けておいてよかったと思います。 今年は古典和歌をもう少ししっ…

第8回クロストーク短歌

第8回クロストーク短歌に行ってきたので、ちょっと感想をあげておきます。あくまで私の感想なんで。いろいろ考えていたら長くなった・・・。 今回は「若い世代の歌をどう読むか」ということでなにかと「わからん」「淡い」とか言われることがある20代、30代…

塔2016年11月号から 6

塔2016年11月号の作品2・江戸雪選歌欄から。 モノクロの人ら行き交う五番線ホームの朱きポスト黙せり 岡村 圭子 P129 「モノクロの人ら」はたぶんスーツなどダークトーンの服装なんだろう。人がモノクロであるのに対して、ポストの色がやけに鮮やかで、物体…

塔2016年11月号から 5

塔2016年11月号の作品2・栗木京子選歌欄から。 きみが手にきつと触れしと図書館の茂吉の棚に今日も来てをり 広瀬 明子 P114 慕っているひとがおそらく読んだだろう本がある棚の前にまた来ている、一途なシーンだなと思います。ただ「きみが手にきつと触れし…

塔2016年11月号から 4

塔2016年11月号の作品2・花山多佳子選歌欄から。 梅ゼリーの梅に手つけず子供らは草履引っ掛け虫捕りに行く 矢澤 麻子 P99 夏休みの子供たちの様子を詠んだ歌が詠草のなかにありました。「梅に手つけず」という描写で食べ物の好みだけでなく、なんとなく性格…

塔2016年11月号から 3

塔2016年11月号の作品1・池本一郎選歌欄から。 ボートにも乗つたねカメラ忘れたね百年生きたといふやうに言ふ 大塚 洋子 P87 ゆったりした雰囲気がとても魅力的な一首です。遠い昔のデートを懐かしむような言い方だと思いました。「乗つたね」「忘れたね」と…

塔2016年11月号から 2

塔2016年11月号の作品1・永田和宏選歌欄から。数字はページ数です。 お互いの屋根裏部屋を少しずつ見せ合うように手紙を交わす 白水 麻衣 69 いままさに親しくなりつつある人でしょう。だんだんとお互いの内面を見せていく様子を「屋根裏部屋を少しずつ見せ…

塔2016年11月号から 1

塔を読みつつ、いいなと思った歌には○をつけていきます。(ダメだろ、って思った歌には×つけていきます) 合評が終わった後なんで塔のなかのいいな、と思う歌をどうしようかな、と思っています。試みに欄ごとに印象に残った歌を取り出していってみましょう。…

塔10月号の感想 その2

塔10月号で連載50回になる「中東通信」が終了しました。 中東在住の千種さんによるエッセイと短歌の連載でとても興味深い内容でした。 屋台のスイカが大きくて甘いこととか、床屋のおじさんとの会話とかちょっとした日常の断片から見えてくる景色がとても好…

塔10月号の感想 

久しぶりに塔の感想をあげておきましょう。 って10月号は2年に一度の「10代20代特集」・・・ 私が塔に入って2年経ったのね^_^; うーん、早い。 今回は合評をやっていて注目した方の短歌を取り上げてみましょう。 図書室の図鑑に眠る青い蝶狭い世界の中を生き…

塔の合評を終えて考えたこと

今年の7月から12月号まで、塔誌上の合評に参加していました。(実際に批評を書く範囲は5月号から10月号まで)塔に載っている作品をいくつか取り上げて、二者間で批評していくというスタイルで執筆しました。 まずは半年間、なんとか終わったぞ、っていう気分…

旧月歌会に3回ほど行ってみた

なんか久しぶりの更新にして先週の歌会の感想。ややネガティブ気味っていうね・・・。 さて、ここ3回ほど旧月歌会といわれる塔短歌会の歌会に行ってみました。3回っていう回数は「自分とこの組織の雰囲気が合うかどうかちょっと行ってみたい」っていうお試し…

第7回クロストーク短歌

先日、クロストーク短歌という吉川宏志さんが行っている短歌の勉強会に行ってきました。内容が興味深いので毎回行っています。 さて今回は「あれから5年 東日本大震災の歌を再読する」ということでゲストに梶原さい子さんをお迎えして震災詠を読んで考えてみ…

塔2016年5月号の感想

5月号の塔には評論「五年目の諸相―東日本大震災から五年の歌を読む」が載っています。東日本大震災を詠んだ短歌を5年という時間を軸にして梶原さい子さんが論じています。 5年、とは短いようで一区切りついてしまう年月の単位です。なにも解決はされないけれ…

塔4月号の感想 その2

塔4月号でもうひとつ面白かったのは浅野大輝さんの評論『「定型っぽく読める」を考える』です。(「っぽく」に傍点あり) 破調の構造を持つ歌なんだけど「定型っぽく読める歌」を取り上げて、なぜ破調構造があるのに定型に収まっているかのように読めるのか…

旧月歌会に行ってみた&塔4月号の感想

さて先日、ついに旧月歌会といわれる歌会に行ってみました。出不精の私にしては大きな決心。旧月歌会は30名くらいいる参加者のうち、4~5名が選者という怖い豪華な歌会です。 歌会によって批評の方法って違うのね。今までに参加した歌会では「いいな」と思っ…

「塔」2016年2月号を読んでいて  その2

塔2月号には「短連作」という5首程度の短い連作についての特集が組まれています。これが大変に面白かった。ちょうど最近、連作について考える機会があったので、感想をすこし上げておきましょう。 * 私の短連作「雪とえんぴつ」も掲載していただきました。 …

「塔」2016年2月号を読んでいて 

たまには自分が所属している結社誌を読んでいて気づいたことなど。メモですが。 塔2月号の「青蝉通信」に若山牧水が比叡山に登って山寺に滞在した時の話が載っている。寺にこもった牧水が貧しい老人と一緒に酒を飲んだ話や吉川氏が今年の正月に実際に比叡山…

久しぶりに短編小説を読んでいた

最近は歌集を読む機会が増えた一方で小説を読む機会がなくなっていました。葉ね文庫さんに行った時にもらった読書系フリーペーパー「ソルボンヌ通信」はおすすめの本を紹介しているフリーペーパーです。その中から気になったものをピックアップして読んでみ…

新年のご挨拶

昨年はお世話になりました。今年もよろしくお願いいたします。 さて、今年もこのブログをこつこつ更新していきます。今回はこの1年のはじめにあたって詠んだ歌を一首、おいておきます。今年もいろんな作品や刺激を吸収しながら短歌を詠んでいきたいです。 波…

2015年のふりかえり

これが今年最後のエントリーになるのでちょっと1年の締めくくりの感想など書いてみましょう。 今年の1月からこつこつとブログを書いてみて、なるべく3日に1回くらいの割合でアップするようにしています。コメントは全くつきませんが(←コメントは閉じてしま…

第6回クロストーク短歌

塔短歌会の主宰である吉川宏志氏による「クロストーク短歌」は関西で半年に1回くらいの割合で開かれている短歌の講座です。内容は実作者向けですね。ざっくりと感想を書き留めておきます。今回は12月5日にありました。「現代仮名遣いと歴史的仮名遣い」とい…

「追体験短歌史 1995年編」雑感

歌人の光森裕樹さんが運営なさっているtankafulという短歌のサイトがあります。短歌情報満載の貴重なサイトです。 さて、あんまりイベントには行かないタイプの私ですが、(ろくに知り合いもいないのに、参加してもつまんなかったら、もういろいろ面倒くさい…

「短歌を選ぶ」ということについて

大学短歌会の同人誌に限った話ではないのですが昨今、短歌の同人誌もいろんなのがあって、正直、その動きを追えていません・・・。 私は短歌同人誌とかそんなにあれこれ買いあさることはないですね。すごく興味を持ったものだけ注目して買いますが。実際に手…

京大短歌21号 その二

「京大短歌21号」には面白い評論が載っている。「口語にとって韻律とはなにか―『短詩型文学論』を再読する―」という阿波野さんによる評論です。短歌には調べが大事、と言われているいわば定番の内容に対して「本当にそうだろうか」と疑問を出し、『短詩型文…

「エフライムの岸」と旧約聖書

ちょっとおまけで記事を追加です。歌集のタイトルになっている「エフライムの岸」は旧約聖書に出てくる『士師記』のなかのシーンにちなんでいるそうです。 シイボレト(つぎ)シイボレト(言つてみよ)シイボレト(ゆけ)シボレト(ゐたぞ) 真中朋久『訛音…

歌会に行ってみた。

■歌会にデビュー 先日、はじめて塔短歌会の歌会に参加してみました。歌会参加ってほんとにこれがはじめて・・・・でした。塔に入ってからかれこれ8か月くらいですか、遅いデビューかもしれません。正直ね、あんまり興味なかったんですよ。歌会って。短歌結社…

最初の頁

今年に入って新しいブログをつくろうという気持ちが 急に強くなったので、はじめてみました。 以前は別の名前で短歌の題詠ブログなどに参加していたのですが こちらのブログではわたしの読んだ本、主に歌集や評論について書いていきます。 いままでは紙のノ…